徒然草

本棚にひっそりあった『徒然草』。歳を取ったらいつか、じっくりと読んでみようと。広げてみた。吉田兼好(卜部兼好)さんは、1283年ごろの生まれで、70数年の生涯だったようだ。兼好さんが50歳代のころに書いたとか。

読んでみると、なかなか面白い。

◆つれづれなるままに

有名な最初の表現。これを紐どいていくと、〝自己発見の道へ〝ということらしい。「こころにうつりゆく由なしごとを、そこはかとなく書き付くれば、あやしうこそもの狂ほしけれ」妥協だらけの日常の中で、ともすれば自分自身を見失いがちになる。純粋な自分を取り戻す「つれづれ」の時間の確保が大切だと。(そうか・・・)

◆孤独の哲学

時間をもてあます人の気が知れない。何の用事もなくて、独りでいるのが、人間にとっては最高なのだ。(まだ、その境地には至っていないなあ・・・)

◆生前の心得

自分が死んで後に財産の残ることは、賢明な人間がすることではない。価値のないものを集めておいたのも見苦しいし・・。(これは、わりあい同感。常に断捨離中。と言いたいところだが、時々まだものにしがみついている自分に気づく)

◆会話のマナー

 長い間会わずに、久しぶりで対面した相手が、自分の話題ばかり次から次へしゃべり続けるのは、不愉快・・。教養も品もない人間は、息もつけないほどべらべらしゃべりたて・・。(ああ、私のことだ。しゃべりまくる私。私自身はそんなつもりはないのだが、結果的によくしゃべりまくっているらしい。これは気を付けなければ・・・)

とまあ、こんなふうに読んで自分自身を振り返ってみている。それにしても、700年も前に生きていた人間が書いたことが今の私にも響くということは、何だか不思議な気がする。人間は、社会は、変わっていないのか・・・  またじっくり考えてみよう。

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