コスモス
八ヶ岳南麓(私の家の周囲・標高1000m)周辺は、今コスモスだらけといっていいほど咲き乱れている。もともとコスモスは大好きな花で東京に住んでいる頃から秋には必ず買って飾ったものだった。
それが、ここはなんとそこら中コスモス。植えた記憶はないのにどこからか種が舞ってきてあちこちに咲いてくれる。その色のグラヂュエーションが素晴らしい。濃いピンク・きれいなピンク・薄い色・淡い色・そして白と。
コスモスを見ると思い出すことがある。30年ほど前のこと。訪問看護の仲間とおしゃべりしていた時のこと。20歳の女性が家で亡くなった。先天性の病気で短い命を覚悟した一生だった。その方の葬儀に伺った時のこと。棺に入ったその人は、真っ白なドレスを纏いその中に入っていたのが赤やピンク・橙色など色とりどりの花でバラや蘭やタンポポも。普通は黄色や白の菊が多いのに、私たちは驚いた。その後の3名の会話。
Aさん「白黄の菊はイヤよね。私の時には、ピンクの胡蝶蘭やカトレアにしてほしいわ」
Bさん「まあ、高くつくわね。お金残しておいてよ」
Cさん「私は、何ていったってコスモスだらけがいいなあ」
Bさん「まあ、安くあがっていいけれど、とにかくコスモスの時期にあの世にいってよ。コスモスは期間限定だから」
Aさん「Bさんは、自分が一番最後まで生き残るつもり?あなたが一番先にあの世にいくと思うよ。Bさんもあの世にいっしょに行く花を考えて私たちに伝えておいてよ」