7月25日

7月25日

宮崎県知事『東国原英夫』さん

みなさんよくご存知の「東国原英夫さん」こと、「そのまんま東」さん。そうです、今年宮崎県知事に当選した人です。みなさんは、彼が県知事になったときどう思いましたか。正直言って、私はマスコミに出てくる彼を見てあまりいい印象を持ちませんでした。でも首長を目指した私は“どういう人なのだろう”と、彼が書いた本『宮崎で生まれた改革の波は、そのまんま東へ!』(kkベストセラーズ)を読んでいろいろ考えさせられました。

◆よく知らないで人を決め付けてはならない
私は、スポーツ選手やタレントがよく政治のことも知らずに、知名度が高いというだけで当選している動きをよく思っていません。テレビに出て名前が知られているというだけで投票する国民・市民がなんと軽薄なのかと思うからです。そういうことに重きを置いた立候補者を選ぶ今の政党のやり方にも大きな疑問を持っています。数の論理・力ではなく、政策やこの国・自治体をどのようにしていくのかの内容が大事だと思うからです。
そのまんま東(東さんと呼びましょう)も同様で知名度だけで、芸能の世界から簡単に政治の世界に移ったのかと思っていました。しかし、本を読んで彼の生き様や立候補のいきさつを知り、彼について言えば、「時間をかけ、よく勉強して、自分で政策を立案し、よく宮崎県民と話し、そして県知事になったんだなあ」と思いました。
東さんは、芸能の世界からやむなく遠ざかり、そして2000年に早稲田大学に再入学して勉強し、サークル活動などを通し、福祉の現場にもいった。卒論のテーマは「地方の活性化と、市町村合併問題」とし、そのモデルを故郷の都城を選び、ちょうど合併後の統一選挙の時に現地で選挙の有様を見聞きしてレポートしている。卒業後、「政経学部」に再入学し、その道を学ぶ。入学したとき、3つの人生プランを描いた。①専門職大学院でさらに学び続ける道、②学部終了時に大学院に編入する道、③在学中に自治体の首長選挙があったら出馬を考える道。その勉学中に“日本を立て直す、地方から”“独学でマニフェスト研究を”と模索する。結果として宮崎県知事の官製談合問題のあとの県知事選挙に立候補した。「宮崎は今、危機に瀕している。全県民パワーが必要だ」と住民参加を主張し、とにかく動いた。これまでの組織選ではなく、市民中心の選挙を目指し・・・。結果、当選した。
私は、「よく勉強し、よく考え、よく動いた」と思った。安易に思いついて行ったのではないということがわかった。まあ、本にはかっこよく書かれている部分もあるかもしれないが、それを差し引いても評価できる部分が多々ある。正直、私は自分自身の勉強不足も痛感したし、動き方の足りなさも実感した。
 とにかく“よく知らないで、人を評価・決め付けてはならないなあ”とつくづく思った。

◆50歳前後の人生の転機
 東さんは1957年生まれの49歳。私は1956年生まれの51歳。同年代の生き方・転身にも感慨深かった。他の分野でさまざまなことを精一杯生きてきて、50歳を向かえる時。40歳ではなく、60歳でもない、50歳。深く分析はできていないが、自分の人生のとっての50歳の意味と同時に、10歳年上の多数のエネルギッシュな団塊の世代との関係の“今の50歳の人たち”の生き方。共通した何かを感じた。
いつも意識する団塊の世代、団塊の世代に頼りきった生き方、医療・介護・年金など高齢社会の大問題の中核の大集団の自己主張の強い団塊の世代を支えるべく年代、ちょっと頼りなく見える世代、若者とのつなぎ役を受け持つ世代・・・。
日本の社会にとって、様々な意味で実はとても大事な世代なのではないだろうか。いろいろ見渡せば、おもしろい人がたくさんいる。そんな自覚はするが、さてどうするか、どうできるか・・・。

◆「革新」とはなんぞや?
 東さんが、最後の方でこう書いている。
「日本中が革新ネットワークでカバーされれば、国の姿は確実に変わっていく」
「それぞれの地域の人たちの意識を変え、自分たちが、日本を担っていくのだという意識を持ってもらえるようにするのが、知事なり自治体の首長の役割ではないだろうか」
「革新的な県が手をつなぎ、連帯しなければならないのだ」
など、「革新」という言葉を使っている。
私は、“えっ”と首を傾げた。そのまんま東は革新なの? 宮崎県政は、革新自治体になったの? 
そもそも「革新」って何なの? 「革新」「革新政党」の違いは? 現日本政治体制(自民・公明)に反対する立場が革新なの? 「野党」と「革新」の違いは? 現在の日本の革新政党はどの党? 社民党は? 共産党は?
 政治に詳しい友人にきいたところ、1970年代は、革新の3つの条件があったという。日米安保条約に対する立場云々。その後いろいろ変遷して、今は? 定義があいまいだと。前社会党は革新政党といっていたが、現社民党は革新政党と自らは言っていないと。 これまでの日本の政治がだめだと思っている国民は多い。なにか変えなければならないと思っている人も。しかし、何がだめでどうすればいいのかの方向性や変え方について、「保守」と「革新」は何が違うのか。小沢がいうように、保守二大政党が国の方向性を決めていく方向がよく、「革新」「革新政党」は必要ないのか。「革新政党」は当てにならず、革新的な市民運動が必要なのか? どなたか、じっくりと勉強しあいましょう。なんとなくで言葉を使っている印象である。これは実は、大事な根っこを見ていないのかもしれない。そんな気がした。

 そのまんま東が革新かどうかは別な機会にじっくり論議することにして、また、彼の具体的なマニフェストや地域活性案や方向性の内容は今回は別として、真正面に向き合って取り組んできた姿勢と動き方について感じたことを書きました。

 『宮崎わかこ』のオフィシャルサイトが更新できないでいてすみません。選挙が終わってもう2ヶ月なのにとお叱りを受けそうです。弁解をします。只今、ホームページの全面変更中です。とにかくこのホームページは残しますし、ブログは書き続けますので。8月中には、新画面・イメージになるようがんばります。
時々、「楽しみに読んでいるのよ」と声をかけてくださる方がいらして、本当にありがたいです。暑そうですが、豊かな夏をすごしましょう! 参議院選挙の結果も注目しましょう!