定期巡回てくてく24 その2

定期巡回てくてく24 (その2)
                           2017年10月15日
 思えば、この『定期巡回サービス』にはじめて出会ったのは、24年前の1993年2月です。場所は、デンマーク。その頃の私たちの呼び方は『巡回型24時間訪問看護介護』『巡回型24時間在宅ケア』。

日本に足りないのは『巡回型24時間訪問看護介護』
 1977年から2013年まで所属して実践し、また理論化として様々な出版物を出させていただいた東京の特定医療法人財団健和会、社会福祉法人すこやか福祉会。たくさんの出会いと学びの宝庫でした。
 そのリーダーであり、私の師でもある増子忠道先生(意思)が、1989年にデンマークに視察に行かれ、帰ってこられていったことは次の通り。
「私たちは日本一住みよい地域作りをしようと、特に『在宅ケア』の充実のための実践をしてきた。往診・訪問診療も。訪問看護は日本の中では本当に最初のころからはじめ、その普及活動を行ったきた。今回、デンマークに行って勉強になったこと、というか日本で本格的に取り組まなければならないと考えたのは、2つだ。一つは『補助器具の活用』(あえて福祉用具とはいわない)で、もう一つは『巡回型24時間訪問看護介護』だ。制度がなくても早期に実践をして、それを日本中に普及していこう」

1994年より東京の北千住地域で実践開始
 『補助器具活用』はすぐに実践をはじめて、驚くような成果を出し、普及していった。『巡回型24時間在宅ケア』の実践を始めたのは、1994年秋からだった。それに先駆け、実践する看護師やヘルパーみんなでデンマークを視察に行こうと出かけて同行させていただき、イメージがわき、自分たちも始めようと準備したのだった。
 そして、さまざまな準備の後、看護師と介護職が一緒に夜中も巡回してケアを行う実践活動をはじめて、現在も続いている。
 いってみれば、私は、介護保険のサービスの一つになった『定期巡回・随時対応型訪問介護介護事業』の先駆的な活動を20数年前に始めた張本人の一人なのだと思う。

『最期まで家にいられる在宅ケア』(中央法規出版)
 実際に実施してみたら、たくさんの方が多様にこのサービスを利用して、大きな成果を世に示した。夜中も含めて一日複数回利用者宅を訪問してケアをすることによって、家族がいなくても、家族介護をあてにしなくても在宅生活継続が可能なっていった。要介護でも要医療でも一人暮らしでも在宅生活を可能にする鍵がこのサービスだと分かった。
 この実践の内容を、『最期まで家にいられる在宅ケア』(中央法規出版、1995年?)として、出版した。(もう絶版になっていると思う)

平成24年(2012年)に制度化
 それに日本中に普及するには時間がかかった。なかなか実践が難しいサービスだからかもしれない。それで2012年の介護保険のサービスの一つとして制度化された。私たちが示してきた内容とかなり違った内容の制度とはなったが・・・。

なので、私とすれば、感慨深いこの制度を事業することについて、複雑な気持ちを抱いている。それがどうしてなのか、何が複雑なのかを次回にお伝えします。